モールテックスとは

モールテックスの特徴と基礎材料の使い方や特性など

モールテックスの特徴

モールテックスは、特徴的な意匠性と高い機能性を併せ持った左官塗材です。屋内外の使用を問わず、水を通さない薄く強靭な仕上げ層をつくることができます。

意匠性

  • シームレスな鉱物表情を至る所に作り出すことができます。
    デザインコンクリート。
  • 無限の調色、トーンの追求が可能です。

機能性

  • 強靭な表面強度をわずか2~3mmの膜厚で実現します。床、階段、ガレージなどで使用可能です。
  • 通常のモルタルのような「ヒキ」がなく、自身の乾燥で割れません。下地の撓みに追従する柔軟性があります。(※下地の構造的な動きには注意が必要です。)
  • ほぼ全ての下地に強力に接着します。(鉱物下地、木、金属、タイル、スタイロフォーム、メラミン、プラスチック、ビニールクロスなど)
  • 水を通さず、水に溶けません。簡易防水膜として使用可能です。

モールテックスを知る

モールテックスについて初めて触れる方は「公式パンフレット」からご確認ください。
当サイトでは「カラーチャート」「顔料配合表」「消費量一覧表」「技術説明書」
「製品説明や施工手順」等の各種資料もご確認いただけます。

モールテックス材料例|株式会社オフィスTAKAHATA

モールテックス関連商品の荷姿

  • 主材粉  :
    モールテックス・カラー2N(Mortex Color 2N) 25kg袋
  • 主材撹拌液:
    ビールクリル2(Bealcryl 2) 5リットル容器
  • プライマー:
    レジデュール(Residur) 5リットル容器

モールテックスカラー2N とビールクリル2の配合

セメントと石灰など21種類の鉱物成分からなる主材バインダー「モールテックスカラー2N(MORTEX COLOR 2N) 」と、
高性能アクリル樹脂を含む主材液「ビールクリル2(BEALCRYL2)」を下記の配合比で撹拌します。

モールテックスカラー2N : ビールクリル2

5kg : 1リットル
25kg : 5リットル

配合比はモールテックスの「機能性」を100%引き出すために、常に尊重されなければなりません!

テクニカル・レイヤーとは

モールテックスカラー2Nには、0.8mm径の砂利(骨材)が含まれています。

モールテックスカラー2Nの機能を100%引き出すために、 0.8mm径の骨材が膜内へ綺麗に埋まるよう、左官コテなどで一定の圧力をかけながら1mm厚の均一な膜を作ります。この1mm厚の膜を「テクニカル・レイヤー(機能を引き出す膜)」と呼びます。

床に使う為の強靭な表面強度、水を通さない膜を作るためには、テクニカル・レイヤーを2層重ね、2mm以上の膜厚にします。

モールテックスのテクニカルレイヤーの概要と注意点

施工の一般的な流れ

  1. 下地準備後に、プライマーの塗布
    多孔質下地(モルタル、木など)では「レジデュール(RESIDUR)」、水を吸い込まない下地では「レジパクトG(RESIPACT G)」を使用
  2. 8時間乾燥……20℃、60%の湿度下
  3. モールテックス・カラー2N 1層目を塗布
  4. (意匠仕上げ / 床・水場仕様)
    8~12時間乾燥……20℃、60%の湿度下
  5. モールテックス・カラー2N 2層目を塗布(1層目塗布後から48時間以内までに塗り重ね)
  6. 48時間乾燥……20℃、60%の湿度下
  7. 完全乾燥(意匠性を高めるため、オプションにて研磨、汚れ防止剤の塗布)

モールテックス・カラー2Nのポットライフ(塗り付け作業可能時間)

ポットライフ

モールテックス・カラー2Nのポットライフ(塗り付け作業可能時間)は、ビールクリル2を混ぜ始めてから20〜30分(20℃、60%の湿度下に於いて)です。

ポットライフを引き延ばしたい時は、硬化遅延剤「RBE3(アールビーイー3)」を使用します。モールテックス・カラー2Nの25kg粉に対し、40〜200mlまで混入可能です。
(使用例:気温が25度を超えた場合に施工の段取りを助ける)

ポットライフの時間内、常に流動性の高い状態で保ちたい時は、流動化剤「FBE3(エフビーイー3)」を使用します。モールテックス・カラー2Nの25kg粉に対し、55〜110mlまで混入可能です。
(使用例:床を作る際のテクニカルレイヤー1層目に混入し「レベラー」として使う)

注:
硬化遅延剤と流動化剤を一緒に混ぜることはできません。

仕上げ例1:フレスコ塗り

フレスコ塗り(追っかけ2回塗り)とは、テクニカルレイヤーの表面のみが乾燥し内部がまだ柔らかい状況で新たなモールテックスカラーのネタを擦り込み、アマを出しつつ滑らかな表面に仕上げ意匠性を高める施工手法です。

軽く研磨を施すことで、コンクリートを型どったような「デザインコンクリート」の艶・様相を作り出すことができます。

モールテックスのフレスコ塗り|株式会社オフィスTAKAHATA

フレスコ塗り例

フレスコ塗り(左側)とテクニカルレイヤー(右側)の比較写真

モールテックスのフレスコ塗りとテクニカルレイヤー比較|株式会社オフィスTAKAHATA

仕上げ例2:アセッコ塗り

アセッコ塗りとは、テクニカルレイヤーの表面を乾燥させ、その上に肌理の細かいモールテックスカラー2Fを上塗りし、滑らかな表面に仕上げ意匠性を高める施工手法です。

軽く研磨を施すことで、コンクリートを型どったような「デザインコンクリート」の艶、様相を作り出すことができます。

モールテックスのアセッコ塗り概要|株式会社オフィスTAKAHATA

モールテックス・カラー2F

肌理の細かいモールテックス粉状製品「モールテックスカラー2F(ファイン)」は、より滑らかな表面仕上げを実現するために使用します。モールテックス・カラー2N(ノーマル)の上からフレスコ塗りで仕上げたり、単体で塗りつけることが可能です(※意匠的使用のみ)。

  • モールテックス・カラー2F1(0.26 mm 径)
  • モールテックス・カラー2F2(0.17 mm 径)
  • モールテックス・カラー2F3(0.03 mm 径)
  • モールテックス・カラー2F4(0.023 mm 径)

※F1~2:モールテックス・カラー2Nとの併用で床、水場使用可
※F3~4:意匠的使用のみ

汚れ防止剤

BEAL社製のモールテックス汚れ防止剤には、大きく分けて2種類あります。

皮膜性

表面に膜を作り、汚れを寄せ付けない。

ポリタンN120(POLYTHANE N120)

ポリウレタン系樹脂溶剤性。2液性、1回塗り。
光沢(グロス)、艶なし(マット)仕上げ。

ビピュール(BIPUR)

ポリウレタン系樹脂(水性)。2液性、2日かけて2回塗り。水場で使用可。
光沢(グロス)、艶消し(サタン)、艶なし(マット)仕上げ。

浸透性

モールテックス膜内に浸透させ、汚れが表面に付着した際、その侵入を遅らせる。毎日の手入れ、季節ごとのメンテ要。塗りつけ前に水洗い要(白華を防ぐ)。

フィニッシュSA(FINISH SA)

中性石鹸オイルがベース。日々の洗浄で石鹸の成分が浸透。

オイルOH(OIL OH)

天然植物オイル。濡れ色に固定され、油汚れ対策に適する。
濃い色のモールテックスと相性良し。

レペルオイル(REPELOIL)

石油系撥水撥油材。屋外に使用可能。

+ ビールワックス(BEAL WAX)

天然石の保護にも使用できる。蜜蝋がベース。

補足事項

当ページは、モールテックスの基礎知識を学びたい方や
基礎講習を受講済の方が復習目的で閲覧するために公開しております。
講習を受けていない方が施工を行うためのTIPSではございませんので、予めご了承ください。

商用目的でモールテックス製品のご利用をお考えの方は、事前に講習会にご参加いただき、
取り扱いに注意が必要な点を学び、十分な知識と技術を身に着けてから施工を行うようにしてください。

モールテックスに関するお問い合わせは下記リンクより随時受け付けております。
(事前によくあるご質問と回答ページをご確認いただければ幸いです。)